会計と財務 連載講座「起業ブートキャンプで鍛えよう!」Chapter7-2

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会計と財務・第2回 資金繰り表のポイント

今回は前回に引き続き、資金繰り表のポイントについて見ていきましょう。資金繰り表は損益計算書や貸借対照表などとは異なり、一定の作成基準が決められておらず、外部へ開示する必要もないため、自由に作成することができます。ここでは、一般的なフォームをご紹介することにします。

資金繰り表のサンプル

資金繰り表には将来の資金収支計画を表した資金繰り計画表と、過去の資金収支を表した資金繰り実績表がありますが、先に示したフォームの資金繰り表は、この両者を一体化したもので、計画と実績を対比させることによって、比較分析を行い、資金繰りの実績を将来の資金計画に活用することを可能にしたものです。

資金繰り表作成のポイント

資金繰り表は、比較的短期の将来期間で資金ショートを起こさないようにするために、資金収支を調整することが主目的で作成されることが多いため、通常は、月次ベースの計画表を3ケ月から1年分程度作成することが一般的です。ただし、資金繰りがタイトな会社では、日次ベースで作成することもあります。

また、資金ショートを起こさないようにするという目的から、資金繰り表の対象とする資金の範囲は、現金のほか即時に解約可能な預金を資金の範囲に含めることが一般的です。

資金繰り表の作成方法と留意事項

資金繰り表は、利益計画、販売計画、仕入計画、在庫計画、設備投資計画、人員計画、借入金返済計画などの経営計画に従って作成します。作成に当たっては以下の点に留意しましょう。

  • ・過去のデータや外部環境に関連する統計数値を参考にしながら作成し、目標値を用いない。
  • ・作成の頻度や資金の範囲、表のフォームなどは企業の実情に合わせて最適なものを選択する。
  • ・実績と計画の間にズレが生じた場合は適時に修正を行う。また、ズレの原因を分析して将来の資金計画に活用する。
  • ・希望的観測に基づいて作成せずに、収支予測は保守的に行う。

次回はベンチャー企業の資金需要の特徴について見ていくことにしましょう。

  • 【参考文献】
  • 日本公認会計士協会東京会編『起業家・ベンチャー企業 支援の実務』(2011年)

(矢澤利弘)

本連載「起業ブートキャンプで鍛えよう!」は、起業を志し、会社をつくり、事業を自分でつくっていきたいと思う人に向けた、起業入門向けの連載講座です。早稲田大学の学生や教職員によるベンチャー企業を数多く見てきた、早稲田大学インキュベーション推進室のスタッフ(コンサルタント、事務スタッフ)が、さまざまな実例を基に解説します。読み進んでいくのに特別な知識は必要ありません。市販の参考書には載っていないノウハウを集めた、学生による起業を意識した連載です。なお、本連載における掲載内容は、各執筆担当者の個人的見解に基づくものであり、必ずしも学校法人早稲田大学の見解に基づくものではありません。

宅配ロッカーを設置しました

インキュベーションセンタースタッフです。キャンパス周辺では、先日に降った雪もかなり消え、ふつうに自転車で通行できるようになりました。学生のみなさんは期末試験に追われています。

さて、インキュベーションセンターでは、通用口正面に宅配ロッカーを設置しました。インキュベーションセンターに不在の場合でも、宅配便の荷物などをここで受け取ることができます。

宅配ロッカー写真
▲宅配ロッカー

なお、冷蔵・冷凍保管が必要なもの(クール便やチルド便など)、貴重品が含まれているもの、書留郵便など受領者の手渡しが必須のものについては、ここで受け取ることはできません。これらは、従来どおり直接受取りとなり、不在の場合は不在票が郵便受けに入ることになります。

ロッカーの数には限りがあるため、利用の際には、早めにお引き取りください。

会計と財務 連載講座「起業ブートキャンプで鍛えよう!」Chapter7-1

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会計と財務・第1回 会計と財務の第一歩

会計と財務

今回から、数回にわたって会計とお金に関するお話をすることにします。皆さんが起業するに当たって、絶対に避けることができないのが、会計であり、税務なのです。

一口に起業するといっても、様々な分野が考えられます。例えば、商品開発をしなくてもいい場合もあれば、狭義の意味で営業活動をする必要のない場合もあるでしょう。在庫を持たなくてもよい会社もあれば、在庫管理が不可欠な会社もあるはずです。ただし、どんな会社であってもお金がなければ事業を進めていくことができませんし、お金の支払いや受け取りが不要である会社はありません。それに少なくとも年1回は決算書を作成して、決算期末後には税務申告をする必要があります。

資金繰りの重要性

今回は会社の資金繰りについてみていくことにしましょう。特に創業期の企業にとってはこの資金繰りが非常に重要です。「勘定合って銭足らず」という言葉があります。これは帳簿上では収支が合って儲かっているはずなのに、実際に現金が足りない状態をいい、理論と実践がなかなか一致しないことをいいます。

実際、会社の売上高が増加し、そこそこの利益を計上するようになったとしても、倒産してしまう会社がある一方、何年も赤字を計上しながら、倒産せずに事業を継続している会社もあります。それはどうしてでしょうか。会社というものは資金がある限り、いくら赤字を継続したとしても倒産することはありません。一方、黒字であっても資金がショートすれば、いわゆる黒字倒産するケースもあります。黒字倒産には様々な原因がありますが、例えば、1)売上拡大を志向しているにも関わらず、売上債権の回収が疎かになっている場合、2)過大な在庫を抱えており、資金が枯渇してしまう場合、3)借入金返済など、非経常的な支払いをする余裕がなくなった場合、などの事例がよく見受けられます。外部環境の急変で資金ショートする可能性もありますが、資金計画を策定しておくことにより、資金不足が生じる時期を予測することができるため、資金調達に時間的な余裕を持つことができるようになります。そのため、資金ショートの危険性を低下させることができます。

資金計画

資金計画では、将来の資金収入と支払を計画し、資金の過不足のないように調整します。とりわけ創業期の会社にとっては、資金繰りをいかにするかが、会計上の利益をいかに計上するかということに勝るとも劣ることのない重要な計画となります。資金計画を策定するためには、収入と支払を予測する必要があるので、利益計画、販売計画、仕入計画、在庫計画、設備投資計画、人員計画、借入金返済計画などが必要となります。

資金に関する管理資料には、資金繰り表のほかに、資金運用表、資金移動表、資金収支表、キャッシュ・フロー計算書などがあります。このなかで、一般に資金繰り表は将来計画のために作成され、残りは過去の分析のために作成されることが多いです。資金ショートを起こさないようにするためには、資金繰り表を作成しておくとよいでしょう。次回は資金繰り表を作成するためのポイントについて説明していきます。

(矢澤利弘)

本連載「起業ブートキャンプで鍛えよう!」は、起業を志し、会社をつくり、事業を自分でつくっていきたいと思う人に向けた、起業入門向けの連載講座です。早稲田大学の学生や教職員によるベンチャー企業を数多く見てきた、早稲田大学インキュベーション推進室のスタッフ(コンサルタント、事務スタッフ)が、さまざまな実例を基に解説します。読み進んでいくのに特別な知識は必要ありません。市販の参考書には載っていないノウハウを集めた、学生による起業を意識した連載です。なお、本連載における掲載内容は、各執筆担当者の個人的見解に基づくものであり、必ずしも学校法人早稲田大学の見解に基づくものではありません。

大きくなるための他社とのタッグの組み方とは? 第9回入居者セミナー(1月25日)開催のご案内

インキュベーションセンタースタッフです。都内で1月14日に降った大雪の名残が、今でも道路脇にごろごろ転がっています。昼間は足場が悪い程度ですが、朝方は路面が凍結しており、歩くのにも要注意な毎日です。

さて、第9回を数える1月の入居者セミナーでは、あずさ監査法人 企業成長支援本部の石原寛一氏および更家忍氏を講師として、「ベンチャーにとっての大企業とのアライアンスの可能性(仮題)」というタイトルにて講演を行います。

手もとのリソースに限りのあるベンチャー企業にとって、アライアンス(複数企業間での連携や提携)は、事業を拡大するための有力な手法です。特に、大企業とのアライアンスは大きなビジネスチャンスになります。それを実現させるためのポイント、そしてその先に見えてくるものなどを考えることは、ベンチャー企業経営者が戦略を立てるにあたって重要なことです。この機会をお見逃しなく!

開催概要
件名 インキュベーションセンター 入居者交流会
主催 早稲田大学インキュベーション推進室
日時 2013年1月25日(金) 18:30~20:00
(19:00から交流会)
※通常より1時間遅くスタートします
内容 講師:あずさ監査法人 企業成長支援本部
公認会計士 石原寛一氏
公認会計士 更家忍氏
「ベンチャーにとっての大企業とのアライアンスの可能性(仮)」
※テーマ名は変更になる場合があります
会場 インキュベーションセンター オープンスペース
参加対象 入居者、コミュニティ会員、ゲスト、推進室関係者 ほか
定員 30名程度

参加申込みにあたっては、事前の参加予約が必要です。お手数ですが、参加ご希望者名、ご所属(早稲田大学学生は、学部学科名または研究科名、学年、学籍番号。早稲田大学教職員は、本属および役職)、ご連絡先(電話番号および電子メールアドレス)をご記入のうえ、タイトルを「入居者交流会参加希望」として、インキュベーション推進室事務局まで電子メールにてご連絡ください。折り返し、推進室事務所よりご案内差し上げます。事前のご予約がない場合は、原則として入場をお断りします。また、定員に達した場合など、予告なく応募申込を打ち切らせていただく場合があります。ご了承ください。

インキュベーションセンター入居者募集のご案内

インキュベーションセンタースタッフです。新年最初の更新となります。本年もよろしくお願いいたします。なお、1月15日は早稲田大学学事暦に従い、センターはクローズとなり推進室事務所も休業となりますので、ご了承ください。

さて、インキュベーション推進室では、「早稲田大学で達成した学習成果・研究成果」を基に起業を志す本学の教職員・学生の皆さんに対し、専門家による経営指導やオフィスの貸与など、さまざまなサービス提供を行い、起業という勇気あるチャレンジを応援しています。

このたびインキュベーションセンター入居(個室オフィス1室、ブース型オフィス2室)を希望される本学教職員・学生の起業家を募集します。

  • 【募集期間】1月23日(水)まで ※応募書類必着
  • 【最終選考】1月30日(水)午後 ※都合が悪い場合はご相談ください
  • 【お問合せ】インキュベーション推進室(渡邉まで)
  • 内線:78-2101 外線:03-5286-9868 電子メール:incubation@list.waseda.jp
  • ※現地の確認、応募書類作成方法の確認など、随時対応します。ご希望の方は、お手数ですが電子メールまたはお電話にてお問い合わせください。なお、連絡なく直接インキュベーションセンターまでお越しいただいた場合は、業務の都合上対応できかねる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

詳細は、募集要領をご覧ください。